遺言書がある場合の相続税申告までの流れ

被相続人が遺言書を作成していた場合で、遺産分割の方法を指定した時や、遺産分割の方法を定めることを第三者に委託していた時の取扱いについて知っておく必要があります。
封印のある自筆証書遺言・秘密証書遺言を発見した場合には、家庭裁判所で相続人かその代理人の立会いのもとに開封して検認を受けなければなりません。
また封印のない自筆証書遺言の場合も家庭裁判所で検認の手続きが必要となりますが、公正証書遺言の場合は家庭裁判所における開封や検認の手続きは不要です。

次に被相続人が遺言書の作成した時から財産状況に変化がある場合も考えられるので、相続財産・債務の調査を実施して実際の相続財産を確認します。
遺言書で遺言執行者が指定されていれば遺言執行者が遺言を執行して、指定されていない場合は法定相続人全員が遺言によって指定された範囲で遺言を執行することになります。
その上で、遺留分が侵害されている場合の遺留分減殺請求権の行使をするのなら、請求期間内に行う必要があるのです。

また、所得税の確定申告をすべき被相続人の場合には、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月を経過した日の前日までに、確定申告をして納税する必要があります。
それから消費税・地方消費税・市町村民税などの申告も必要な方は、これらの税金についても申告しなくてはならないのです。
これらの手続きが済んだ段階で相続財産が確定して、相続税を申告する必要がある場合には、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告と納税を完了しなくてはならないのです。

このように遺言書に全ての財産に関する分け方が指示されていれば、相続人による分割協議の必要がないので、遺言書の指示に従って財産を相続して、それに基づく相続税の申告書を作成すれば問題ありません。
しかし、遺言書にもいくつかの問題があって、具体的な分割方法が明示されていなかったり、一部の財産についてだけしか指示していなかったりすると、不十分な部分について分割協議を行わなければならないのです。
このような問題を引き起こさないためにも、しっかりとした遺言書を残す必要があります。